ギターマニア pid N の ~ゆるブロ~

バンドマン、楽器店店員、リペアマン、ギター講師と幅広く活動してきた男のスキル、知識、体験談を公開致します!

スポスポになったストラップピンに爪楊枝はヤバい?!

皆さん、こんにちは!ゆるキャラ系ギタリスト pid N です。

 

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今回は、ギターのリペアについてのお題です。ストラップを引っ掛けるピン「ストラップピン」ネジがゆるゆるになったときの対処

 

よくある応急処置 「爪楊枝でなんとかする作戦!」

 

について、やめといたほうがいいよ〜ということについてお話をさせていただきます!

 

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結論から言うと、

脆い修理な上に今後、リペア代が上がっちゃうかもよ??

 

 

では、一体何故やめといた方が良いのか解説していきましょう〜〜_(:3」z)_

 

 

ネジはなぜスポスポになるのか

 

図のように、ストラップピンはギターにビス止めされています。塗装のせいで分かりにくいですが、エレキギターのボディは木でできています。ですので、木にビスがねじ込まれている状態ですね。

 

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このねじ込まれている部分の木部が、どんどん削れていって、ネジ穴が広くなってしまい、遂には抜けてしまう のでスポスポになるのです。

 

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ストラップをかけて練習などしていると、3〜4kgの本体を2点で止めているので、劣化しやすい場所と言えます。

 

スポスポになりやすいギター、なりにくいギター

 

実はスポスポに「なりやすいタイプ」と「なりにくいタイプ」は存在します。入門向けのギターなどは、ボディ材にコストをほとんどかけていないため、スカスカで柔らかい木材を使用されているものがほとんどです。こういった木材をボディに使用しているギターはストラップピンのビスがスポスポになりやすいです。

 

しっかりしたギターの場合、木材も良いものを使用しているので、なかなか劣化しないものも多いです。

 

価格帯の違いで音響特性以外にも、ギターのクオリティでこういった耐久性も違ってくるということですね〜。

 

できるだけ長持ちさせるには

 

当たり前ですが、ストラップピンのビスが緩んでいるのに気づかずにそのままにしているはダメです。

 

緩んでいたらプラスドライバーでビスをきっちり締める

 

当たり前ですが、これが長持ちさせる秘訣です。

 

緩んでいる状態で放置してしまうと、ビスが中で少しずつ動き、破損を急激に早めてしまいますので、時々、緩んでいないかきっちりチェックする癖をつけときましょう!

 

 

正しいリペアはこうやる

 広がったビス穴はいびつな形をしていますので、一度少し大きくきれいな形の穴を開け直します。

そしてその後、きれいな円柱状の木材を使って埋め直します。

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この木材はなるべく硬質なものを使用したいところですが、かなりリペアをしっかりしているところでないとラミン棒という柔らかいものを使用することが多いかもしれません。少し広がっているくらいならこのラミン棒でも問題ありませんが、大きく穴が広がっている場合は耐久性に難があると言えます。

 

爪楊枝を詰めるとどうなるか

爪楊枝をビス穴に入れた状態で、ビスをそこに入れるとこんな感じになります。青い部分が爪楊枝、赤い部分が穴を指します。

 

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これでもう大丈夫!と思いきや

 

 

確かにその瞬間はしっかり止めることができるのですが、割と一過性のものです。

隙間があり過ぎて耐久性がかなり低いのです。

 

そして、劣化すると………

 

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このように楕円形に穴が広がってしまいます。(あわわ……)

 

これを正しく直そうとすると、このように円をとって穴を広げて埋める必要が出てきます。

楕円形に穴が広がってしまったせいで、きれいな円柱状の木材を使ってきれいに埋めるには、二回りほど大きく円をとる必要があります。

 

これだとラミン棒だと耐久性に難がありますので、しっかりした木材を使う必要があり、材料代も上がってきます。

 

それに処理の精度も高くしないといけなくなるので時間もかかり、結果技術料も上がるケースが多いです。というわけで、爪楊枝作戦はコスパが良くないリペアだということがわかりました!:-)

 

今回は以上です!

いかがでしたか?例外的なケースとしては「今日中にライブがあってどうしようもない」などそういった場合は自己責任であえて爪楊枝を詰めて応急処置をするのもありなのかもしれません。しかし、大抵そういう方は自分の楽器のメンテナンスに無頓着で土壇場で気づくケースが多いです。一か月に一度は全体のチェックをするように意しましょう:-)

ちょっと自分だけでは分からないという方はリペアショップか詳しい店員さんがいる楽器店に相談しましょう!

 

 

それではまたブログにてお会いしましょう!

サヨウナラ〜〜〜!:-)

 

この記事を書いたのはこんな人

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【プロフィール】

性別:男性 

年齢:30歳 

ギター歴:14年 

経歴:高校卒業後、ESPギタークラフトアカデミーにてギター製作、リペアの基礎を2年間学ぶ。

某大手楽器店勤務(接客販売、ギターリペア、ギターレッスンなど担当)を約3年半経験

プロ志向でのバンド活動

また別会社の某大手楽器店(接客販売、ギター全般商品担当、ギターリペア、ギターレッスン、お客様バンド結成・育成フォロー、ライブイベント企画・運営、高校軽音部 機材メンテナンス・演奏 サポート など担当)を約3年半経験 

現在、フリーランスで自身の幅を拡げるためブログ、YOUTUBEなどの動画、TwitterなどのSNS、オンラインレッスン「カフェトーク」 ギター講師として活動開始:-)

 

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